プラトンとは?イデアとエロスの意味や四元徳についての解説

プラトン

プラトンのイデア論と理想国家

ここでは、次の3つのポイントをおさえましょう。

  1. プラトンの提唱したイデアの概念を理解する
  2. 魂の三部分と四元徳の内容を知る
  3. プラトンの国家論の内容を理解する

プラトンの経歴

プラトン 生い立ち

プラトン(前427年~前347年)は哲学史において、最初に「国家」の考察をした哲学者です。

まず最初に、プラトンの経歴に触れておきます。

プラトンはアテネの名家出身で、もともとは政治家志望でした。

しかし彼の目指した政治家たちは、ソクラテスの問答に答えられませんでした。

同時にプラトンは、自分自身の無知に気づき、20歳の頃からソクラテスの弟子となります。

プラトンが28歳の頃にソクラテスは刑死してしまい、彼は民主主義の欠点に気づきます。

「民主主義は公平な運営にみえるが、実際は職業政治家たちのものであり、政治に興味を持たない民衆は、弁論が上手な煽動政治家を支持してしまう」とプラトンは考えました。

ソクラテスに死の判決をもたらしたアテネの政治に絶望したプラトンは、40歳でアカデメイアという学校をアテネ郊外に開きます。

アカデメイアは今で言う大学のようなもので、才能ある子どもたちに教育をほどこしました。

またプラトンは多くの著書をのこしており、主著は『ソクラテスの弁明』と『国家』です。

プラトンの師匠であるソクラテスは一冊の本も書いていませんが、プラトンが『ソクラテスの弁明』といった著作に師を登場させたことで、ソクラテスの存在が知られることとなりました。

またプラトンは、『クリトン』『パイドン』『饗宴』などの著作ものこしています。

イデアとエロス

プラトンは、イデア論を唱えた学者として有名です。

イデアとは永遠不滅の本質・真の実在であり、言い換えると究極の理想の存在です。

イデアを説明するときによく用いられるのが、三角形の例です。

私たちは「完璧な三角形」というものを理解しています。

しかし実際には、完璧な三角形を見たことはありません。

現実の三角形の一部を拡大していくと、必ずいつかはガタガタしているのが見えますよね。

また「線」というのも、目に見えている時点でそれは「幅」を持っているということであり、

厳密にいうと線ではなく「棒」になります。

このように私たちは、見たこともないのに、完璧な三角形という存在を知っています。

これをプラトンは、完璧な三角形が、感覚で捉える世界とは違う「別の世界」に存在するからだと説明します。

この別世界にしか存在しない完璧な三角形こそが、イデアです。

プラトンによれば世界は2つに分かれており、感覚で捉える現象界と理性で捉えるイデア界が存在します。

私たちが現象界において完璧でない三角形を見ているとき、

頭の中ではイデア界の完璧な三角形を見ていて、両方を比較していると考えたのです。

プラトンは「不完全な人間の魂がイデアに憧れること」こそが生きるということだと説き、完全なイデアを求める愛をエロスとよびました。

魂の三部分と四元徳

プラトンは理想のイデアを現実の世界に実現するため、魂の三部分と四元徳という考えを提唱しました。

魂の三部分

人間の魂は、理性・気概(意志)・欲望から構成されるとしました。

四元徳(しげんとく)

四元徳とは、知恵の徳、勇気の徳、節制の徳、正義の徳の4つです。

この4つが魂の三部分と連動していきます。

理性は善のイデアを認識する知恵の徳をもち、気概は理性に従い行動する勇気の徳をもち、欲望は本能を制御する節制の徳をもつとプラトンは考えます。

そしてこの3つの徳が調和すれば、正義の徳となるとしました。

理想国家の追及

プラトンは魂の三部分と四元徳を、理想の国家をつくるための国家論に適用しました。

国家の三階級

プラトンによると国家には、統治者階級(王)・防衛者階級(軍人)・生産者階級(庶民)の3階級があります。

そして、王は理性の魂、軍人は気概の魂、庶民は欲望の魂を強くもつそうです。

理想国家

国家として正義の徳を実現するためには、三階級がそれぞれの徳を発揮するべきであり、人間は自分の資質(理性・気概・欲望)に適した階級に所属すべきと説きました。

哲人政治

プラトンの思想では、王になるべきは「哲学者」だとしています。

その根底には、師匠であるソクラテスが追及した絶対的真理を知るものは、究極の正義や究極の国家を知っているはずで、そういった人間が政治を行うべきだという考えがあります。

そしてプラトンは、イデアを知り、理性の魂を強くもつ哲学者こそが適任者だという答えに辿り着きます。

これを「哲人王思想」とよびます。

イデアを知り、国家を統治できる哲学者を養成するために、彼はアカデメイアをつくるわけです。

プラトンは60歳を超えてから、シチリア島に政治顧問として招かれています。

そこでプラトンは、哲学者による理想国家を実現しようとしますが失敗に終わります。

プラトンの教え子であるアリストテレスは、理想主義なプラトンの思想とは異なった、

現実的な学問を始めていくことになります。

まとめ

今回は、プラトンのイデア論と理想国家、これらを実現する方法について解説しました。

  1. イデアとは何か
  2. 魂の三部分・四元徳・国家の三階級のそれぞれの要素が、どう繋がっているか
  3. プラトンの目指した理想国家とはどのような状態・体制か

試験対策では、上記の内容を説明できるようにしておきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です