青年期の特徴とは?高校倫理で学ぶべき単語や試験に必要な知識について

「青年期の位置づけと特徴」で学ぶこととは?

ここでは、次の3つのポイントをおさえましょう。

  1. 青年期という言葉が意味する定義を知る
  2. 青年期に見られる心身の変化を理解する
  3. 青年期の特徴を表した代表的な用語をおさえる

まずは、「青年期」という言葉の意味と背景を説明します。

青年期とはなにか

青年期とは、子どもと大人の境目となる期間のことを指します。

年齢で言うと13歳~23歳ごろの時期にあたります。

「子どもと大人の境目」と説明しましたが、「大人」と区別された「子ども」という概念が誕生したのは、中世末期から17世紀ごろにかけてです。

それまでの中世ヨーロッパでは、現在で言う子どもは、労働力としての「小さな大人」と扱われていたからです。

青年期というのはさらに近代的な考え方で、18世紀後半~20世紀初頭に登場しました。

近世まで、大人になるということは、通過儀礼(イニシエーション)を終えることでした。

かつての日本でも、元服を終えれば大人として扱われました。

このように、通過儀礼を終えたか、終えていないかで大人と子供を明確に区別していた為、境目の期間というのは存在しませんでした。

アメリカのマーガレット・ミードは、サモア諸島での研究で、文明が発達していない地域では、青年期が存在しないという考察をしています。

青年期というのは、文明の発達と共に生まれた新しい概念なのです。

青年期の延長

産業革命を経て文明が発達してくると、青年期の期間が長く捉えられるようになりました。

なぜなら、大人が社会に果たす役割が多様化、複雑化してきたからです。

昔は、狩猟や農業の手伝いをできるようになることが、大人になることでしたが、現在では、身体的成長が社会で一人前として認められる条件ではなくなっています。

多くの人が、教育や職業訓練を受けて社会にでる準備をします。

社会に出る準備段階が長くなったことにより、現代の青年期は長くなっています。

青年期の特徴

青年期は、「新たなる誕生」と呼ばれ、人間が子どもから大人に成長する時期です。

身体的にも精神的にも大きな変化が発生し、不安や戸惑いを感じます。

ここでは、青年期に起こる身体の変化や、心の揺れ動きの特徴を説明します。

第二次性徴

青年期のはじまりには、ホルモンの分泌が活発になり、男性または女性らしい性別の特徴が、身体にあらわれます。

これを第二次性徴といいます。

自我のめざめ

青年期には、自分の性格や容姿、能力に対する他者からの評価が気になるようになります。

自分自身を他者と比べることで、自分の理想と現実のギャップに気づくことは孤独感や劣等感を生みますが、その中で、他者とは違う唯一の「私」を発見していきます。

自分は何者なのかを考え、自意識を持つようになるのがこの頃です。

心理的離乳

アメリカのホリングワースが提唱した用語で、幼児期の身体的離乳に対し、青年期に親の保護から離れて自立することをいいます。

第二反抗期

自我がめざめることで、自分のことを認めて欲しいという欲求が高まります。

今ある価値観に反発することでしか、自己の証明をすることができず、考え方の違いや、大人社会の決め事や抑圧にイライラし、反抗的な態度となります。

ちなみに、第一反抗期は、2~3歳ころに現れる特徴です。

青年期の表現

青年期の特徴をあらわす用語について、それぞれの時代・国の人々が多くの言葉を残しています。

ここでは、代表的なものを説明していきます。

マージナル・マン(境界人・周辺人)

ドイツのレヴィンが名付けた言葉で、子どもにも大人にも明確に所属しない時期のことを指します。

疾風怒濤の時代

18世紀末にドイツのゲーテやシラーが起こした、シュトゥルム=ウント=ドランクという文学運動に由来しています。

シュトゥルム=ウント=ドランクというのは、直訳すると「嵐と衝動」です。

スタンレー・ホールは青年期を、不安と動揺が特徴的な激情の時期と定義しました。

第二の誕生

フランスの哲学者ルソー(1712~1778)の教育書である『エミール』からの言葉です。

エミールの有名な一説を紹介します。

「われわれはいわば二度生まれる。一度目は生存するために。二度目は生きるために。一度目は人類の一員として。二度目は男性として、女性として。」

ルソーは、自我を持った人間としての誕生を第二の誕生と呼びました。

モラトリアム

モラトリアムという言葉は、もともと金融用語です。

経済恐慌のときなどに、国が借金などの債務支払いを一定期間猶予することを意味します。

それを、アメリカの心理学者エリクソン(1902~1994)が、心理学に転用しました。

大人への準備期間にある青年期を、社会的責任や義務から免除された猶予期間であると捉えたものです。

ピーターパン・シンドローム

アメリカの心理学者ダン・カイリーが提唱しました。

年齢的には大人でも、精神的に未成熟な男性を指します。

シンデレラ・コンプレックス

依存心が強く自立できない女性が、王子様を待つように男性に高い理想を追い求める心理です。

青い鳥症候群

夢や理想ばかりを追い求め、自分にはもっと相応しい仕事があるのではと信じ、転職を繰り返す若者を意味します。

メーテルリンクの書いたベルギーの童話『青い鳥』を由来としています。

NEET(ニート)

“Not in Education, Employment or Training”の略で、イギリスで誕生した言葉です。

意味は、働かず、就学せず、職業訓練も受けていない状態の若者のことです。

このように、社会の変化と共に、青年期の状態をあらわす新しい言葉が誕生しています。

まとめ

今回は、青年期という言葉の意味とその特徴、代表的な用語を解説しました。

  1. 心理的離乳
  2. マージナル・マン
  3. 第二の誕生
  4. モラトリアム

この4つのキーワードは、試験でもよく出る重要な用語ですので、しっかり確認しておきましょう。

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