青年期の課題とは?マズローの欲求やアイデンティティの確立についての解説

青年期の課題

「青年期の課題」で学ぶこととは?

ここでは、次の3つのポイントをおさえましょう。

  1. 「発達課題」という言葉の意味
  2. エリクソンが提唱した青年期の課題
  3. マズローの欲求階層説

青年期の課題

最初に、アメリカの3人の学者が唱えた青年期の課題、あるいは、人生の各段階における課題を説明します。

オルポートの説

アメリカの心理学者オルポートは、人間が成熟した人格(パーソナリティ)になるために、クリアすべき課題を6つ挙げました。

オルポートは、人間が大人とみなされるためには、次の6基準を満たす必要があると説きました。

①社会的領域への自己意識の拡大

自分以外の他者や物事に関心を持ち、自己中心的な活動を去ること。

②他者とのあたたかい人間関係の確立

他者を理解し、相手を尊重した関係を持つことができること。

③情緒的な安定と自己受容

他人の幸福を侵害するような衝動的な行動を抑え、自分を抑制する術を知ること。

④現実世界と接触する知覚・技能

現実を正しく見つめ、課題の解決に必要な技能を持つこと。

⑤自己の客観視とユーモア

自分を客観的に洞察・認識することができ、ユーモアの能力を持つこと。

⑥人生観の所持

さまざまな事象の統合的な理解により、自分の人生哲学を確立すること。

ハヴィガーストの説

アメリカの教育学者ハヴィガーストは、人間の一生を6つの発達段階に分類し、それぞれの段階における発達課題があると唱えました。

発達課題というのは、人間が社会的に適応し、健全な人格を形成するために、各発達段階で達成しておくべき社会的課題、または心理的課題のことです。

人間が次の発達段階にスムーズに移行する為には、それぞれの段階で設定された発達課題をクリアする必要があります。

次に出てくるエリクソンも発達課題の研究をしていますが、発達課題を最初に提唱したのは、ハヴィガーストです。

エリクソンの説

ここまで2人の学者を紹介してきましたが、エリクソンが圧倒的に有名で、出題の頻度も高いです。

アメリカの心理学者エリクソンは、「ライフサイクル」と「アイデンティティ」という新しい発想にたどり着きました。

ライフサイクル(人生周期)は、人の一生を8つの発達段階に分け、それぞれの段階での課題を克服していきながら、自分自身を磨いていくという考え方です。

ライフサイクルの8段階

画像出典 https://www.kango-roo.com/word/21198

もう一つ、エリクソンが提唱した「アイデンティティ」という言葉は、日本語では自我同一性といいます。

どういう意味かというと、自分が自分であること、「これが自分だ!」という確信を持つことです。

エリクソンは、「アイデンティティの確立」を青年期の発達課題として設定しています。

これに失敗した状態を「アイデンティティの拡散(危機)」といい、他者との間に親密な関係を築けず、社会集団の中で自分の存在意義を見出せなくなります。

エリクソンのライフサイクルについては、青年期の課題である「アイデンティティの確立」と失敗の状態である「アイデンティティの拡散(危機)」が再頻出です。

青年期以外の段階については、細かく出題されることは少ないです。

自己実現の欲求

自我が生まれてくる青年期には、それまでには現れなかった欲求がでてきます。

欲求というのは、欲しいものが手に入らない欠乏から逃れようとすることで、人間は、欲求を満たすことができる目標があれば、行動を起こします。

欲求の種類

欲求は、2種類に分類することができます。

1つ目は、一次的欲求とよばれ、生命活動に欠かせない欲求です。

睡眠欲や食欲、性欲、排泄欲などが該当し、生理的欲求ともよばれます。

2つ目は、誰かに認められたいと願ったり、自分の個性を発揮したいと思う欲求です。

こういった社会的欲求は、二次的欲求に分類されます。

マズローの欲求階層説

アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を次の5段階に分類しました。

①生理的欲求

食欲や睡眠欲など、生命を維持するための本能的欲求を指します。

②安全の欲求

不安や恐怖から逃れ、経済的な安定や健康を欲することです。

③所属と愛情の欲求

社会や家族に受け入れられたい、所属したいという欲求です。

④承認と自尊の欲求

他者に尊敬されたい、自分を尊重してほしいという欲求です。

⑤自己実現の欲求

生きがいを見つけ、自分の能力を発揮したいとする欲求です。

マズローは、①生理的欲求から④承認と自尊の欲求までを「欠乏欲求」、⑤自己実現の欲求を「成長欲求」としています。

そして、低次の欲求が満たされれば、より高次の欲求が現れると考えました。

最終段階である自己実現の欲求に到達できる人は、数少ないとされています。

マズローが提唱したこの構造を、欲求の5段階説といいます。

青年期には、欲求不満を文化に昇華させることも往々にしてあり、これを若者文化(ユースカルチャー)といいます。

大人への反抗による文化という意味を込めて、対抗文化(カウンターカルチャー)とよぶこともあります。

まとめ

今回は、青年期の課題と欲求の種類・構造を解説しました。

  1. 青年期の課題を設定した3人の学者の名前(オルポート・ハヴィガースト・エリクソン)
  2. 発達課題という言葉の意味
  3. エリクソンの青年期の課題「アイデンティティの確立」「アイデンティティの拡散」
  4. マズローの欲求の5段階説の中身

試験では、上記のポイントがよく出題されますので、内容をおさえておきましょう。

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